考え方
捐納
- 捐例
清代に金銭や穀物を納めて、出身資格・官職・虚銜・頂帶などを得る制度(研究所が参照した『清史稿』選舉志と史語所文物陳列館の記事の範囲)。
資料の記述
『清史稿』選舉志の捐納の条は、捐例の名目を救荒・河工・軍需の三つとし、期限が来るか事が終われば止める暫行事例と、常設の現行事例に分ける
- 清史稿 卷112(志八十七 選舉七 捐納) 卷112 選舉七「捐納」第1段
『清史稿』は、平民も貢監・封典・職銜を捐納でき、貢監・銜封・加級・紀録のように銓選に関わらないものは現行事例に属したと記す
- 清史稿 卷112(志八十七 選舉七 捐納) 卷112 選舉七「捐納」第1段 末尾
『清史稿』は、文官の捐納は康熙十三年(1674)、三藩への用兵で軍需が急だったため暫行の事例として始まったと記す
- 清史稿 卷112(志八十七 選舉七 捐納) 卷112 選舉七「捐納」第4段 冒頭
『清史稿』によれば、同治元年(1862)御史裘德俊が、商賈には正印の実官を捐納させず虚銜・雑職に限るよう請い、部に下して議し行わせる(下部議行)とされたが、まもなく部臣が、捐納を望む者が様子見して軍餉に障ると言い、詔で旧制に戻された
- 清史稿 卷112(志八十七 選舉七 捐納) 卷112 選舉七「捐納」第10段(「宣宗、文宗御極之初」で始まる段)
『清史稿』は、文廟・城垣・書院・義倉・橋梁・道路などの修理に資金や穀物を出した者に、議敘・頂帶・職銜・加級・紀録を与える樂善好施の例があり、塩商・士紳の巨額の捐輸も奨励されたが、これらは捐納に似て実は違うものだと記す
- 清史稿 卷112(志八十七 選舉七 捐納) 卷112 選舉七「捐納」最終段
史語所文物陳列館の記事は、捐納は「賣官」と説明されがちだが、捐納者が得るのは厳密には任官の資格(貢生・監生の出身資格、銓選の順序、実職の無い虚銜など)だと説明し、庶民も捐納できる常設の「常捐」と、軍費・工事・賑災のため不定期に開き現職官や資格を持つ者に限る「大捐」に分ける
- 科舉考試走捷徑:捐納(文物館週記196) 本文 第3段(「捐納制度過去常被解釋為」で始まる段)