モチーフ
葬送の雄鶏(雞冠の血・雞枕)
- 雞枕
- 雞鳴枕
喪葬の中で使う雄鶏や、鶏にちなむ物。神主の「主」の字に点を打つ点主では朱に雄鶏の冠の血を混ぜ(宜蘭では今は朱墨)、棺には、鶏の鳴き声で死者を目覚めさせ時を知らせるという鶏の毛入りの枕を入れる。点主は宜蘭の電子報と1919年の胡適の記録に、枕は香港と宜蘭の資料に見える。
資料の記述
蘭陽博物館の電子報は、墓地で行う「點主」で、点主官が新しい筆に朱砂と白い雄鶏の冠の血をつけて神主の「王」の字に点を加え「主」とした(今は朱墨に改めた)と記す。ただし同じ記事は、出殯の日の儀節を並べるところで、點主は宜蘭地区ではもう行われないと注記する
この記述の範囲: 台湾・宜蘭地域の電子報の記述(記事自身が、宜蘭では現在行われないとする儀節)
- 事死如事生~漫談宜蘭地區的喪葬儀式(上)(下) (下)「5. 點主」の段
香港樹仁大学の教育小冊子は、中国式の棺では遺体の頭に「雞枕」(雞鳴枕)を使い、昔の雞枕には鶏の羽と金銀の衣紙を入れ、鶏鳴は眠る死者を目覚めさせることを象徴するとし、三角形の形は棺の中に金銀の元宝や副葬品を置く余地を作るためだと記す
この記述の範囲: 香港の華人の喪葬
- 逝者善終、生者善別:圖解香港華人喪葬禮俗(教育小冊子) PDF 11 頁(鋪棺意想圖)、項目 13「頭枕」
蘭陽博物館の電子報は、宜蘭の大殮(遺体を棺に納める儀)で棺に入れる頭の枕を、両端が反り上がった赤い菱の実の形の枕とし、反った端の左に鶏の毛、右に犬の毛を縫い付けるのは、鶏の鳴き声と犬の吠え声で死者に朝と夕べを知らせるためだ、と記す。
この記述の範囲: 台湾・宜蘭地域の電子報の記述
- 事死如事生~漫談宜蘭地區的喪葬儀式(上)(下) (下)「9. 大殮」の段
胡適は1919年の「我對於喪禮的改革」で、母の葬儀について、世俗の礼では神主の札の「主」の字の上の一点を残して書かせ、地位の高い人を招いて朱の筆に鶏の冠の血をつけて点を加えてもらう「点主」が喪の中で最も重んじられる、と書く。胡適はこれを見栄を張るための事だとして点主をせず、古い礼の「字の上手な人に主を書いてもらう」に従って、友人に点まで含めて札を書いてもらった、という。
この記述の範囲: 胡適「我對於喪禮的改革」(『新青年』第6卷第6号、1919年。維基文庫の翻刻)
- 我對於喪禮的改革 母の葬儀を記す部分の、神主を祠に送る段