考え方
道教
資料の記述
康豹論文は、湘西の主な儀式専門家の型として、道士(男性、主に喪葬の法事、漢語と文言の科儀)、巴代扎(客老司、儀式は道教に由来、漢語や方言)、老裟(巴代扎に似て道士に学ぶ者も多い)、巴代雄(苗老司、苗語で口伝が主、道教の影響は少なく、行法のとき漢服を忌む)、巴代捏、仙娘(霊媒)を挙げる。
この記述の範囲: 康豹「苗漢之間──湘西道教與儀式專家傳統初探」印刷頁225、専門家の型の一覧(2016 年の現地調査による)
- 苗漢之間──湘西道教與儀式專家傳統初探 印刷頁225、湘西の主な儀式専門家の型の一覧(1〜6)
康豹論文は、湘西の習慣では、個人や家族のための病治し・邪払いの法事は巴代扎か巴代雄が行うもので、道士の職分ではないと述べる。
この記述の範囲: 康豹「苗漢之間──湘西道教與儀式專家傳統初探」印刷頁229
- 苗漢之間──湘西道教與儀式專家傳統初探 印刷頁229、湘西の道士が喪葬を主にすることを論じる段落の末尾
康豹論文は、湘西の宗教を、漢人の長い移住による漢文化と在地の伝統の混ざり合い(雑糅)として捉え、道教が在地の儀式専門家にどう影響したかを中心の問いとする。
この記述の範囲: 康豹「苗漢之間──湘西道教與儀式專家傳統初探」摘要(印刷頁217)
- 苗漢之間──湘西道教與儀式專家傳統初探 印刷頁217、摘要
康豹論文は、儀式の型で見ると、湘西の道士は主に喪葬の法事、巴代雄は祖先と守護神の祭祀を受け持ち、両者とも神判(吃血)や邪払い・清めの儀式、蠱払いも行う、巴代扎は願掛けと願解きなどを受け持ち邪払いもする、霊媒は主に病治しと厄払いをする、と整理する。
この記述の範囲: 康豹「苗漢之間──湘西道教與儀式專家傳統初探」印刷頁227。同論文の印刷頁229は、個人・家族のための病治し・邪払いは道士の職分ではないとも書く(両方の記述を残す)
- 苗漢之間──湘西道教與儀式專家傳統初探 印刷頁227、専門家どうしの往来と儀式の型を述べる段落
康豹論文は、現地調査で専門家たちが語った話として、太上老君が疥瘡だらけの乞食に化けて三人の弟子に川を背負って渡すよう求め、断った者は道士に、ためらった者は巴代扎に、素直に従った者は巴代雄になったという話を紹介し、道士は立って漢文の科儀で行い、巴代扎は立って漢語で行うが科儀は要らず、巴代雄は座って苗語で行う、という違いの由来として語られるとする。
この記述の範囲: 康豹「苗漢之間──湘西道教與儀式專家傳統初探」印刷頁227。専門家が語る伝承の紹介。巴代雄を仙娘に替えた版もあると書く
- 苗漢之間──湘西道教與儀式專家傳統初探 印刷頁227、巴代雄と霊媒が尊ばれることを述べる段落
招魂幡・引魂幡(魂幡・幢幡)は道教に関わる。道教文化中心資料庫の「幡」の項は、幡を道教の宮観の齋醮で常に使う法器の一つとし、南宋の『上清靈寶大法』によれば初期の幡は遷神幡と回耀幡の二種だけで、隋唐期には幡の使用がかなりの規模になったとする。そのうえで『洞玄靈寶三洞奉道科戒營私』(頁の表記)を引いて、幡は21種あり、亡人のためには遷神・轉魂・度生・九天・三途などの幡を作ったと述べる
- 幡(法器) 「幡」の項「由來」の節
招魂幡・引魂幡(魂幡・幢幡)は道教に関わる。同項は『上清靈寶大法』を引いて、齋の初めに壇の近くに長い竿を立てて幡を揚げ、あまねく霊に告げて幽顕ともに見られるようにするとし、回耀幡は竿から壇の下に懸けて風に吹かせ、十方の幽魂がこれを見て一念帰依すれば罪障が消え、地獄が開け死魂が生まれ変わると記す
- 幡(法器) 「幡」の項「作用」の節
丁仁傑の導論は、台湾の地域社会は政治の力と都市化の衝撃を相当に受けたものの、社会のつながりと地方の文化は本当の意味での強い断絶や破壊を経なかったのに対し、中国大陸では民間の文化と社会のつながりが激しい断絶と破壊に直面し、道教の回復はそうした環境の中でゆっくり再生の機会を探す必要があるとし、これを両岸の最大の違いと述べる。
この記述の範囲: 台湾と中国大陸の道教を取り巻く地域社会(導論の筆者の整理)
- 導論(『道教復興與當代社會生活』) 導論「地方社會網絡斷層與道教復興」の節、紙面11〜12頁(PDF 19〜20頁)