モチーフ
掌心雷(手のひらの雷)
- 掌心雷
- 掌中雷
手のひらで雷を起こすとされる術。研究所が参照した資料には、掌に「雷」の字や符を書いて握り、開くと雷が鳴るという記述がある。
資料の記述
掌心雷(手のひらの雷)は雷法(五雷法)の一種である。劉枝萬 1986 は、掌心雷を、雷を握りしめて投げつけるとたちまち雷鳴がするという駆雷の一法とし、掌で五雷法を行うことからこう呼ばれ、掌中雷・掌心變雷・法雷とも称される、と述べる。
この記述の範囲: 劉枝萬「雷神信仰と雷法の展開」四 掌心雷
- 雷神信仰と雷法の展開 紙面 一三(四 掌心雷)第1段
劉枝萬 1986 は、掌心雷を行うには、掌の中に文字や符号を書くことや雷公石のような特別な呪物が要るとされ、さらに掌心雷神呪を唱え、指を屈する掌心雷指訣も欠かせないとされ、その一法が坊間の符呪書にも載っている、と書く。
この記述の範囲: 劉枝萬「雷神信仰と雷法の展開」四 掌心雷 末尾
- 雷神信仰と雷法の展開 紙面 一五 第1段(四 掌心雷の結び)と注(91)
『古今圖書集成』神異典は『江寧府志』を引き、朝天宮の道士潘爛頭は掌心雷法を行えたが、便所で神を呼んで紙を取らせたため神が怒って雷火に頭を焼かれ瘡になり、のちに子供が銭を出して雷をねだると、頭の瘡に手を染めて子の掌に雷の字を書いて握らせ、数歩行って開かせると雲気が立って雷の音がした、と記す。
この記述の範囲: 『古今圖書集成』博物彙編 神異典 第259卷 神仙部列傳三十六 明四「潘爛頭」(『江寧府志』の引用)
- 欽定古今圖書集成/博物彙編/神異典/第259卷(神仙部列傳三十六 明四) 神異典 第259卷「潘爛頭」の条(djvu 24 頁の校對頁)
四庫全書本『浙江通志』仙釋は、温州府の明の人として顧泰眞を挙げ、『萬厯溫州府志』を引いて、麻衣道人から掌心雷法を授かって風雷を叱咤し、洪武十九年夏の日照りに寶勝寺で壇に登ると雷電が起こり大雨が三日続いた、と記す。
この記述の範囲: 『浙江通志』(四庫全書本)卷201 仙釋四 溫州府・明「顧泰眞」
- 浙江通志 (四庫全書本)/卷201(仙釋四) 卷201「溫州府」の見出しの下、「明」の見出しに続く「顧泰眞」の条(割注に「萬厯溫州府志」)
劉枝萬 1986 は、同じ温州府の道士を「顧太眞」と書き、麻衣道人から掌心雷法を授かり、洪武十九年夏の旱災に祈雨の壇に登ると雷電が起こり大雨が三日続いた、と紹介する。
この記述の範囲: 劉枝萬「雷神信仰と雷法の展開」四 掌心雷
- 雷神信仰と雷法の展開 紙面 一三 左段(「溫州府(浙江)の顧太眞は…」)と注(82)
四庫全書本『江西通志』方技は、南昌府の「唐」の見出しの下に、新呉の浮雲宫の道士夏主信が掌心雷をめぐらせて石の精を治め、その丫口石は今も残り、晴雨を祈ると応じる、という条を置く。
この記述の範囲: 『江西通志』(四庫全書本)卷106 方技 南昌府「夏主信」
- 江西通志 (四庫全書本)/卷106(方技) 卷106「南昌府」の見出しの下、「唐」と「五代」の見出しのあいだの「夏主信」の条(割注「同上」)
劉枝萬 1986 は、夏主信を元代の南昌府浮雲宮の道士とし、掌心雷で石精を退治し、その石はのちに神として祀られて雨乞い・雨止めに効験があった、と紹介する。
この記述の範囲: 劉枝萬「雷神信仰と雷法の展開」四 掌心雷
- 雷神信仰と雷法の展開 紙面 一三 右段 末(「元代、南昌府(江西)浮雲宮の道士夏主信は…」)と注(80)
『郎潛紀聞初筆』は、秀水の王曇が、座主の吳省欽から兵を知り掌心雷を作れる者として推薦されたが、睿皇帝はこれを誕妄として退け、吳は罷免され、王曇も生涯不遇だった、と記す。
この記述の範囲: 『郎潛紀聞初筆』卷四「吳省欽薦王曇能作掌心雷」
- 郎潛紀聞初筆/卷四 卷四「吳省欽薦王曇能作掌心雷」の条