話
沈淑孫の条(閱微草堂筆記卷13)
『閱微草堂筆記』卷十三の一条で、紀昀の甥の許婚だった沈淑孫が、嫁ぐ前に病で亡くなる。臨終に、見舞った紀昀の母の腕輪に手をかけ、それを腕に通してもらうと微笑んで目を閉じた。紀家の品を身に着けて棺に納められたいという意だった、と紀昀は書く。
資料の記述
沈淑孫の条(閱微草堂筆記卷13)は閱微草堂筆記に現れる。紀昀の甥の許婚だった沈淑孫は、嫁ぐ前に病で死んだ。臨終に意識が薄れるなか、見舞いに来た紀昀の母(先太夫人)を目を見開いて見つめて涙を浮かべ、その腕輪に手をかけた。腕輪を外して腕に通してやると、微笑んで目を閉じた。紀家の品を着けて殮められたいという意だったと後で悟った。
この記述の範囲: 『閱微草堂筆記』卷13、沈淑孫の条
- 閱微草堂筆記/卷13 閱微草堂筆記 卷13「沈淑孫,吳縣人」で始まる条
紀昀の母は沈淑孫のために土地を買って葬ろうとしたが、父の姚安公が礼にかなわないと言ったので止めた。柩は漕船で郷里に帰り、その後も母は夢に淑孫が泣いて拝むのを見た、と記す。
この記述の範囲: 『閱微草堂筆記』卷13、沈淑孫の条の結び
- 閱微草堂筆記/卷13 閱微草堂筆記 卷13 同条の結び「太夫人悲之」以下
『閱微草堂筆記』卷十三の沈淑孫の条は、淑孫を吳縣の人で、御史(役人を監察する官)の沈芝光の孫娘と紹介する。父と兄に早く死なれて祖母に育てられ、祖母の楊芬(楊文叔の妹)は詩文に巧みで花の絵がとくにうまかったので、淑孫も詩文を習い、色を重ねる絵をよくした。幼いときに紀昀の甥の汝備と婚約したが、嫁ぐ前に亡くなった。
この記述の範囲: 『閱微草堂筆記』卷十三、沈淑孫の条の書き出し
- 閱微草堂筆記/卷13 卷十三、沈淑孫の条の書き出し
『閱微草堂筆記』卷十三によれば、沈淑孫は、病にかかった初めから治らないと悟り、一巻の絵を固く封じて枕元に置き、問われても答えなかった。亡くなったあとで開くと、雨の中の蘭の一幅で、空の谷の蘭がひとりで風雨の寒さに耐えかねるのを憐れむ詩が書かれていた。紀昀は、淑孫の家の中に口にしにくい事情があり、嫁ぐ時期が延びていたのもそのためだったと書く。
この記述の範囲: 『閱微草堂筆記』卷十三、沈淑孫の条の中ほど
- 閱微草堂筆記/卷13 卷十三、沈淑孫の条の中ほど(腕輪の場面のあと)