文献
薛丁山征西
唐の薛仁貴の子・薛丁山が西涼を討つ戦いを描く、清代の九十回の章回小説。維基文庫は作者を如蓮居士と表示する。冥府で魂の姿を見て生き返る薛仁貴や、魂を奪う摂魂鈴を振る刁月娥の話を含む。
資料の記述
攝魂鈴は薛丁山征西に現れる。清代の小説『薛丁山征西』第三十七回は、玄武関の総兵の娘・刁月娥が師の金刀聖母から「攝魂鈴」を受け継ぎ、戦場でこの鈴を振ると相手の魂魄が奪われ、殺さなくとも自ずと死ぬ、と設定する
この記述の範囲: 『薛丁山征西』第三十七回
- 薛丁山征西 第三十七回「樊梨花怨命修行 玄武關刁爺出戰」 第三十七回「再講玄武關總兵」で始まる段
攝魂鈴は薛丁山征西に関わる。『薛丁山征西』の第三十八回では、月娥が鈴を振ると羅章は落馬し竇一虎も倒れて捕らえられるが、地の文は一虎が一時三刻で目を覚ますとし、秦漢は師から聞いた話として金刀聖母の金鈴「攝魂鈴」は人に向けて幾度か振ると魂を抜き取り一時三刻で魂が戻ると言い、月娥の鈴がそれかもしれないと推し量る。羅章もその段の終わりで意識を取り戻す。第三十七回の「殺さずとも自ずと死ぬ」という語り手の説明とは食い違う
この記述の範囲: 『薛丁山征西』第三十七・三十八回
- 薛丁山征西 第三十八回「刁月娥鈴拿唐將 師兄弟偷入香房」 第三十八回「不表關內之事」で始まる段
- 薛丁山征西 第三十七回「樊梨花怨命修行 玄武關刁爺出戰」 第三十七回「再講玄武關總兵」で始まる段
維基文庫の『薛丁山征西』の目次頁は、作者を如蓮居士、時代を清と表示し、第一回から第九十回までの回目を並べる。第一回は、李道宗が計略で薛仁貴を陥れ、偽の詔で夜を日に継いで都へ呼び戻す回、第九十回は、仇が報いられて新しい君が位につき、功名を遂げた薛家が団円する回である。
この記述の範囲: 維基文庫の『薛丁山征西』目次頁の表示
- 薛丁山征西(目次頁) 目次頁の冒頭の作者・時代の表示と目次
『薛丁山征西』の第十四・十五回では、飛鏢を受けて倒れた薛仁貴が、敵を追ううちに冥府に入り、閻君に敵を引き渡せと迫って、陰陽の帳簿を焼くとまで言う。閻君に孽鏡台(生前の行いを映す鏡の台)へ連れられた仁貴は、自分の頭から本命の魂の白虎が現れ、一人の若武者に射殺される姿を見て、その若武者が、かつて自分が誤って射殺した息子の丁山で、神に救われて生き返っていたと知らされる。仁貴はこのことを漏らさないと約し、鬼卒に送られて陽の世へ戻される。
この記述の範囲: 『薛丁山征西』第十四回・第十五回(維基文庫の翻刻)
- 薛丁山征西 第十四回「薛仁貴魂遊地府 孽鏡台照出真形」 第十四回の前半から孽鏡台に上るまで
- 薛丁山征西 第十五回「薛仁貴死去還魂 寶同二困鎖陽城」 第十五回の冒頭から鬼卒が仁貴を送り出すまで
攝魂鈴は薛丁山征西に関わる。『薛丁山征西』第三十九回では、唐の将の秦漢と竇一虎が盗み出した鈴は偽物だったと分かり、秦漢は山に戻って師の王禪老祖に相談する。老祖は、玄武関の刁月娥の攝魂鈴の件で来たのだろうと言い、秦漢を連れて月娥の師の金刀聖母を竹隱山に訪ねる。老祖は、月娥が金の鈴で玄武関を守っているので唐の元帥が西へ進めないと言い、聖母に鈴を引き取るよう頼む。
この記述の範囲: 『薛丁山征西』第三十九回の前半
- 薛丁山征西 第三十九回「仙翁查看姻緣簿 迷魂沙亂刁月娥」 第三十九回、秦漢が元帥に報告する冒頭の段と、王禪老祖が金刀聖母を訪ねる段
攝魂鈴は薛丁山征西に関わる。『薛丁山征西』では、第四十回で刁月娥の父で玄武関を守る刁総兵が唐に降ることになり、第四十九回(題は月娥が攝魂鈴を揺り動かす回)で月娥は唐の側として、鳳凰山に拠る敵方の将の烏利黑と戦う。月娥が金の鈴を手に取ると、烏利黑も宝の傘を開き、二人が同時にそれぞれの宝を揺り動かすと、二人とも馬から落ちた。元帥は傘が月娥の魂を抜き取ったと嘆くが、月娥はやがて目を覚ます。
この記述の範囲: 『薛丁山征西』第四十回の冒頭と第四十九回の前半
- 薛丁山征西 第四十回「刁月娥失身秦漢 竇一虎變俏完姻」 第四十回の冒頭
- 薛丁山征西 第四十九回「月娥搖動攝魂鈴 梨花靈符破寶傘」 第四十九回、月娥が烏利黑と戦う段