モチーフ
背籠(額に掛ける背負い具)
- 背籠
『溪蠻叢笑』が五溪の地の物の運び方として記す、木で作り額に帯を掛けて背負う道具。同書は死者を運ぶのに使うとは書いていない。
資料の記述
背籠(額に掛ける背負い具)は溪蠻叢笑に現れる。『溪蠻叢笑』は「背籠」の条で、この地では物を運ぶのに肩を使わず、木で半分の枷のような形を作って首をはさみ、布の帯か皮で額に掛けて背負い、これを背籠と呼ぶと記す
この記述の範囲: 『溪蠻叢笑』「背籠」条(五溪の地、宋)
- 溪蠻叢笑(四庫全書本) 「背籠」条(「奴狗」の次、「葬堂」の前)
- 説郛(四庫全書本)卷六十七下(所収『溪蠻叢笑』) 所収『溪蠻叢笑』の「背籠」条(「奴狗」の次)
背籠(額に掛ける背負い具)は太平廣記に現れる。『太平廣記』卷四百八十三の「南州」(もとは『玉堂閒話』)は、五代の蜀の劉隱が若いころ、黔巫の南の南州へ使いに行ったとき、迎えの者が背籠を背負ってやって来て、劉隱を籠の中に入れ、両手を振って歩き出したと書く。険しい山や谷では指の爪でよじ登って一寸ずつ進み、籠の中の人は背負う者と背中合わせに座った。これがこの地の車や馬で、州の長官も籠に座って郊外まで出迎えた、とする。
この記述の範囲: 『太平廣記』卷四百八十三「南州」の本文。生きた人を籠で運ぶ話で、死者を運ぶ話ではない
- 太平廣記 卷第四百八十三 蠻夷四 卷四百八十三「南州」の前半
清の陸次雲の『峒谿纖志』中卷も「背籠」の条を立て、苗の人々は物を負うのに肩を使わず、木で半分の首枷のような形のものを作って首をはさみ、帯を額に掛けて、背籠を負って歩くと書く。
この記述の範囲: 『峒谿纖志』中卷「背籠」の条。書き方は宋の『溪蠻叢笑』の「背籠」の条とほとんど同じ
- 峒谿纖志 中卷 中卷「背籠」の条
『清稗類鈔』農商類の「湘苗農事」は、湖南の苗の人々は出入りにかならず腰と背に籠を負うとし、籠は竹で作って両側の縄を両肩に通し、秋には穀物を収め、ふだんは薪を負うと書く。重い物を遠くへ運ぶときは、まず背杠(半分の首枷のような形の板)を首の後ろの肩に当てて縄を頭に掛け、それから籠を負って、肩と頭の両方で力を出す、とする。
この記述の範囲: 『清稗類鈔』農商類「湘苗農事」の本文
- 清稗類鈔(農商類) 農商類「湘苗農事」の第1段