モチーフ
鏡
鏡は、妖魅が化けた姿を映して本来の姿を現させるものとして、東晋の『抱朴子』に記される。清の『子不語』にも、道士や法師が鏡で霊や妖の正体を見分ける話がある。この頁で紹介した『抱朴子』と『子不語』の記述には、僵屍(キョンシー)に鏡を使う話はない。
資料の記述
鏡は抱朴子に現れる。入山する道士は、直径9寸以上の明鏡を背中に懸けておけば、年を経た妖魅が近づけないとする
この記述の範囲: 抱朴子内篇・登渉篇。妖魅一般への対処法として記され、特定の存在(僵屍等)への言及ではない
- 抱朴子/卷17(内篇・登渉) 抱朴子内篇 卷十七 登渉
鏡は抱朴子に現れる。妖魅が人の姿に化けても鏡に映すと本来の姿(鹿や犬など)が現れるとし、その実例として蜀・雲台山の話と林慮山の亭の話を挙げる
この記述の範囲: 抱朴子内篇・登渉篇
- 抱朴子/卷17(内篇・登渉) 抱朴子内篇 卷十七 登渉
鏡は子不語に現れる。『子不語』には、道士や法師が鏡で死者の霊や妖の正体を映し出す話がいくつかある。卷十三「張憶娘」では、道士が大きな鏡に清めた水を注ぐと、自ら首をくくった名妓の張憶娘の姿が映り、道士は、妖や狐なら払えるが男女の恨みは払えないと言って去る。卷十四「狐鬼入腹」では、天師(道教の教団の長)に従う法官(術を行う道士)が鏡で病人の腹を照らし、中にいるのは妖ではなく前世の恨みを持つ鬼だと見分けて、符や籙(道教の法の文書)では治せないと言う。
この記述の範囲: 『子不語』卷十三「張憶娘」と卷十四「狐鬼入腹」の各一段(維基文庫の翻刻)。どちらも屍の話ではない
鏡は子不語に現れる。『子不語』卷三「鄱陽湖黑魚精」では、鄱陽湖の黒い魚の怪を退治するために、天師が小さな銅鏡を渡して、これで人を照らし、一人で三つの影を持つ者を見つけたら知らせよと命じる。鏡で江西じゅうを照らして回ったすえ、村の楊家の子に三つの影が見つかり、天師はその子を湖に投げ入れて怪を討たせた、と記す。
この記述の範囲: 『子不語』卷三「鄱陽湖黑魚精」第2段・第3段(維基文庫の翻刻)。屍の話ではない
- 子不語 卷3 子不語 卷3「○鄱陽湖黑魚精」第2段と第3段