モチーフ
鞭(僵屍を打ち倒す鞭)
僵屍の話で屍を打ち倒す道具として出る鞭。『子不語』卷十「鞭屍」では、伍子胥が楚の平王の屍を打ったとされる鞭で打つと、跳ね起きた屍が倒れる。
資料の記述
鞭(僵屍を打ち倒す鞭)は鞭屍に現れる。死屍を操って人を撲たせていた老人の正体を知らず苦しんでいた男に、その地の土地神と見られる白髭の翁が「伍子胥が楚平王の屍を鞭打った鞭」だという鞭を授け、その夜再び躍り起きた屍をこの鞭で打つと屍は倒れたと記される。
この記述の範囲: 『子不語』卷十「鞭屍」全文
- 子不語 卷10 子不語 卷十「鞭屍」
『史記』卷六十六の伍子胥列伝は、楚の平王に父の伍奢と兄の伍尚を殺された伍子胥が、呉の軍とともに楚の都の郢に入ったとき、平王の子の昭王を捕らえられなかったので、平王の墓を掘って屍を出し、三百回鞭打ったと書く。かつての友の申包胥は人を送って、昔仕えた主君の屍を辱めるのは天道に背くことのきわみだと咎めた。
この記述の範囲: 『史記』卷六十六 伍子胥列傳(漢の司馬遷)。『子不語』「鞭屍」の白髭の翁の言う鞭の故事
- 史記 卷六十六 伍子胥列傳第六 史記 卷六十六 伍子胥列傳、「伍尚至楚,楚并殺奢與尚也」の文と「始伍員與申包胥為交」で始まる段
鞭(僵屍を打ち倒す鞭)は鞭屍に現れる。「鞭屍」の結末では、翌日、棺屋の主人が、店に居座って棺の値をつり上げていた「坐山虎」の洪という老人が昨夜にわかに死んだと告げる。男が白髭の翁に鞭を授かったことを話し、二人で見に行くと、老人の屍に鞭の跡があったと記す。
この記述の範囲: 『子不語』卷十「鞭屍」末段
- 子不語 卷10 子不語 卷10「鞭屍」、「次日,赴店買棺」で始まる段
鞭(僵屍を打ち倒す鞭)は綠毛怪に現れる。『子不語』卷十の「綠毛怪」では、廟に泊まった羊売りが、神座の下から跳び出た緑の毛の怪物を羊を追う鞭で打ったが、怪物は何も感じないかのように鞭を奪い、口で噛んで布を裂くように断ち切ったと記す。
この記述の範囲: 『子不語』卷十「綠毛怪」第2段
- 子不語 卷10 子不語 卷10「綠毛怪」、「一日,有陝客販羊千頭」で始まる段
- 《子不語》正、續二書中僵屍故事初探 頁207、項目「力大無窮」
馮藝超(2007)は、僵屍が恐れるものの一つに鞭を挙げる。「鞭屍」の鞭は伍子胥が楚の平王の屍を打った鞭という来歴があるので特別な力をもつとし、ほかの鞭にも同じ働きがあると推し量れるかもしれない、と述べる。
この記述の範囲: 馮藝超(2007)の見方。論文はこの箇所で「綠毛怪」の鞭が効かなかった場面には触れていない
- 《子不語》正、續二書中僵屍故事初探 頁212-213、項目「不敢近持刀杖者及怕鞭」の後半