用語
飛天夜叉
- 飛行夜叉
『續子不語』卷五「飛僵」で、飛ぶようになった僵屍がさらに年を経てなるものとされる名。同卷「骷髏三種」は「飛行夜叉」と書く。
資料の記述
飛天夜叉は飛僵(續子不語卷五)に現れる。飛ぶようになった僵屍はさらに久しくすると飛天夜叉になり、雷に撃たれなければ死なず、鳥槍でだけ斃せると記す。
この記述の範囲: 『續子不語』卷五「飛僵」後半
- 續子不語 05 續子不語 05「飛僵」第3文
飛天夜叉は骷髏三種に現れる。『續子不語』卷五「骷髏三種」は、地中に伏す伏屍が長く精気を受けると動き回る游屍になり、さらに久しくすると「飛行夜叉」になると書く。同じ卷の「飛僵」が「飛天夜叉」と呼ぶものと、名の一字が違う。
この記述の範囲: 『續子不語』卷五「骷髏三種」の後半の一文
- 續子不語 05 續子不語 05「骷髏三種」、『岣嶁神書』の引用の直前の一文
『續子不語』卷五「飛僵」は、飛天夜叉は熊のように力が強く、夜に出て人をさらい作物を荒らすとし、閩(今の福建)の山の民はこれに出会うたびに猟師を呼び集め、木の梢に分かれて陣取って撃つ、と書く。
この記述の範囲: 『續子不語』卷五「飛僵」の後半の二文
- 續子不語 05 續子不語 05「飛僵」、「閩中山民每每遇此」の文と最後の文
『太平廣記』卷三百五十七(夜叉の部)の「薛淙」(『博異傳』から出るとする)では、元和年間に衛州の古い寺で薛淙らが会った病んだ老僧が、若いころ居延の北で見たことを語る。赤い裳裾で髪を振り乱し、風のように走ってきた女が、追ってくる者に見なかったと言ってくれと頼んで、空洞になった枯れ木の中に隠れる。続いて金の衣を着て甲冑の馬に乗った者が来て、あれは人ではなく飛天夜叉で、その仲間数千が天々で人を傷つけたが、ほかはみな捕らえて殺し、これだけが残っている、天帝の命で追ってきた、と告げる。追っ手は木を巡って空へ上り、やがて空から血が数十滴降ってきた。
この記述の範囲: 『太平廣記』卷三百五十七「薛淙」
- 太平廣記 卷第三百五十七(夜叉二) 卷第三百五十七(夜叉二)、見出し「薛淙」
明の馮夢龍の『醒世恆言』第一卷「兩縣令競義婚孤女」(二人の県令がみなし子の娘の縁組を競う話)では、顔一面にあばたのある蕭雅の容貌を、飛天夜叉のようだとたとえる。王家の者たちは陰で「飛天夜叉」の醜さをあげつらい、語り手も、姪を蕭雅に嫁がせる場面で蕭雅を「飛天夜叉」と呼ぶ。
この記述の範囲: 『醒世恆言』第一卷の前半
- 醒世恆言 第一卷「兩縣令競義婚孤女」 第一卷、元旦に潘華と蕭雅が王奉の家へ年賀に来る段と、王奉が娘と姪を入れ替えて嫁がせる段