話
犼
『續子不語』卷三に収められた一話。棺から出て歩き回る屍を目撃した男が、瓦石で棺を塞いで屋根の上に隠れて観察したところ、屍は普段は大股で歩いて戻り、追ってきた末に川を渡れず足踏みして哀号し、最後に跳ねる動作をしたのち獣の姿に変わって去ったと記す。或説として、屍は旱魃を経て犼に変わり、犼は仏が乗って鎮める神通力を持つ獣だとされる。
資料の記述
キョンシー(僵屍・殭屍)は犼に現れる。本文は、ある一晩に見張っていた某が見た場面として、棺から出て歩き回っていた屍が大股で踏みしめるように歩いて戻った(「大踏步」)と記し、この場面の描写に跳ねる動きの字は使われていない。
この記述の範囲: 『續子不語』卷三「犼」全文
- 續子不語 03 續子不語 03「犼」冒頭
跳ねて移動するは犼に現れる。本文は、川を渡れずにいた屍が、しばらく行きつ戻りつして怪しい声で哀号した末に「三躍三跳」(三度跳ねる動作)をしてから獣の姿に変わって去ったと記す。
この記述の範囲: 『續子不語』卷三「犼」全文(跳ねる動きは通常の移動としてでなく、獣に変化する直前の一場面としてのみ描かれる)
- 續子不語 03 續子不語 03「犼」末尾
瓦石で棺を塞ぐ(僵屍の帰還を防ぐ法)は犼に現れる。棺から出て歩き回る屍を見た男が、屍が外出している間に瓦や石を棺いっぱいに詰めておいたところ、屍は戻ってきても中に入れず、目を怒らせて男を探し始めたと記される。
この記述の範囲: 『續子不語』卷三「犼」全文
- 續子不語 03 續子不語 卷三「犼」
- 《子不語》正、續二書中僵屍故事初探 馮藝超(2007)論文、頁213-214、項目6「怕失棺上蓋或棺中填滿瓦石」
水を渡れない(とされる僵屍の弱み)は犼に現れる。瓦石で棺を塞がれて戻れなくなった屍から逃げた男が、屍は水に入れないだろうと考えて川を渡って立ったところ、屍は川べりでしばらく行きつ戻りつして怪しい声で哀号し、最後に跳ねて獣の姿に変わって去ったと記される。
この記述の範囲: 『續子不語』卷三「犼」全文
- 續子不語 03 續子不語 卷三「犼」
馮藝超論文は、犼を僵屍が変じたものとして、まず旱魃に変わり、その次に犼に変わるという順を、伝聞の形を付けずに論文の地の文で述べる。原書『續子不語』でこの順は「或曰」(ある人の説)として示される。
この記述の範囲: 馮藝超(2007)「四、僵屍的類型與身分、形象」の第十二類「犼」
- 《子不語》正、續二書中僵屍故事初探 印刷頁203(PDF 15 頁)、第十二類「犼」