人・神・怪異など
キョンシー(僵屍・殭屍)
- 僵屍
- 殭屍
- 僵尸
- キョンシー
- jiangshi
- geung si
資料の記述
キョンシー(僵屍・殭屍)は僵屍求食に現れる。二更に拍子木の音がすると、廟から一人が出て足早に去り、五更には拍子木の音より先に廟へ戻る、という行き来が繰り返されたと記される(この段では棺への言及は無く、棺からの出入りと分かるのは後段)。
この記述の範囲: 『子不語』巻13「僵屍求食」冒頭
- 子不語 卷13 子不語 巻13「僵屍求食」第1段
キョンシー(僵屍・殭屍)は僵屍求食に現れる。顔は乾いて黒ずみ、眼窩が落ちくぼんだ姿で描かれ、肩に銀の塊を掛けて歩き、衣擦れのような音を立てると記される。
この記述の範囲: 『子不語』巻13「僵屍求食」
- 子不語 卷13 子不語 巻13「僵屍求食」第2段
キョンシー(僵屍・殭屍)は僵屍求食に現れる。廟の中に長らく塵の積もった古い棺があり、任三はこれを手掛かりにこの者を僵屍と判断したと記される。僧に尋ねると、師匠のそのまた先代(師祖)の頃に誰とも知れぬ者が仮に預けたものだという。
この記述の範囲: 『子不語』巻13「僵屍求食」
- 子不語 卷13 子不語 巻13「僵屍求食」第2段
- 《子不語》正、續二書中僵屍故事初探 東華漢學 第6期、印刷頁204(PDF内頁16)
キョンシー(僵屍・殭屍)は僵屍求食に現れる。棺の背板(俗に「和頭」と呼ばれる部分)が外れて地面に落ち、棺の中は空になっていたと記される。
この記述の範囲: 『子不語』巻13「僵屍求食」
- 子不語 卷13 子不語 巻13「僵屍求食」第3段
キョンシー(僵屍・殭屍)は僵屍求食に現れる。棺に戻れなくなった後、五更に任三の名を呼んで助けを求め、子孫が無く供物を得られず飢えて出歩いていたと自ら語ったと記される。
この記述の範囲: 『子不語』巻13「僵屍求食」
- 子不語 卷13 子不語 巻13「僵屍求食」第3段
キョンシー(僵屍・殭屍)は僵屍求食に現れる。翌朝、硬直して倒れている屍が見つかり、人々に告げて役所に届け出たうえで、屍を棺に戻して焼き、その一帯は静かになったと記される。
この記述の範囲: 『子不語』巻13「僵屍求食」末尾
- 子不語 卷13 子不語 巻13「僵屍求食」末尾
キョンシー(僵屍・殭屍)は僵屍求食に現れる。馮藝超(2007)は、本話の僵屍を身元不詳(無名)の死者の例のひとつとして挙げている。
この記述の範囲: 馮藝超(2007)の分類(僵屍求食を例に)
- 《子不語》正、續二書中僵屍故事初探 東華漢學 第6期、印刷頁204(PDF内頁16)
キョンシー(僵屍・殭屍)は僵屍求食に現れる。馮藝超(2007)は、本話を、僵屍が供物(血食)を求めて出没する「飢渇求祭」型の説話の一例として挙げている。
この記述の範囲: 馮藝超(2007)の分類(僵屍求食を例に)
- 《子不語》正、續二書中僵屍故事初探 東華漢學 第6期、印刷頁197(PDF内頁9、節見出し「飢渴求祭」)
僵屍(にんべんの表記)はキョンシー(僵屍・殭屍)と異なる。馮藝超論文は、史冊・詩文に見える「僵屍」の早い時期の用例として『吳子』『史記』『漢書』『後漢書』を挙げ、これらの用例は戦乱による死者の屍骸を指すとし、これは後世に理解される「死後に屍変し生者と関わる」意味の僵屍とは異なると述べる。
この記述の範囲: 馮藝超2007論文、緒論部分
- 《子不語》正、續二書中僵屍故事初探 印刷頁192(「一、僵屍與屍變釋義」、脚注13前後の段落)
キョンシー(僵屍・殭屍)は子不語に見られる。馮藝超論文は、発生場所が明記される話に限ると、江蘇・浙江が各8話で最多だと述べる。
この記述の範囲: 馮藝超2007論文の統計(『子不語』『續子不語』正続二書合算、発生場所が明記された話のみ)
- 《子不語》正、續二書中僵屍故事初探 印刷頁191(緒論、地域分布の段落)
馮藝超論文は、湘西の「趕屍」伝承のために僵屍は湖南地方に多いと思われがちだが、『子不語』正続二書の記述を見る限り発生地域は広範囲に及び、地域に限定されないと述べる。
この記述の範囲: 馮藝超2007論文、緒論部分
- 《子不語》正、續二書中僵屍故事初探 印刷頁191(緒論、湘西趕屍の言及箇所)
馮藝超論文は、『子不語』正続二書を分析の軸に、僵屍と屍変の語義、屍変の原因、僵屍出現の時間と場所、僵屍の類型・身分・形象、僵屍の能力と忌避・制圧法、話の中の感情投射という六つの観点で論じている。
この記述の範囲: 馮藝超2007論文の構成(摘要および本文の節立てによる)
- 《子不語》正、續二書中僵屍故事初探 印刷頁189(摘要)・頁192(緒論末尾、論述構成の記述)
屍變(死体が変化して動き出すとされる現象)はキョンシー(僵屍・殭屍)を引き起こすとされる。馮藝超論文は、屍変とは安置中・未埋葬の死体が外的刺激を受けて変化する現象で、詐屍・炸屍・遊屍・走屍とも呼ばれると説明する。
この記述の範囲: 馮藝超2007論文
- 《子不語》正、續二書中僵屍故事初探 印刷頁193(「二、」節前、屍変の定義部分)
キョンシー(僵屍・殭屍)は西遊記 第二十七回に現れる。維基文庫の翻刻本文に「僵尸」の字で一度だけ現れる(「僵屍」「殭屍」の字ではない)
この記述の範囲: 維基文庫『西遊記』第二十七回の翻刻本文、および北京大学図書館蔵の明代刊本の影印(同じ箇所)
- 西遊記/第027回(屍魔三戲唐三藏 聖僧恨逐美猴王) 西遊記/第027回、孫悟空が老人の正体(一堆粉骷髏)を説明する台詞の段落
- 李卓吾先生批評西遊記(第二十四回前後〜第二十七回を含む冊、通し「(十)」) 識別子02111817.cn、PDF80/85頁目、版心「西遊記 第二十七回」、同じ段落
この場面の「僵尸」は、白骨の妖怪が老人に化けていた姿を孫悟空が打ち殺した後に現れた、粉々になった骸骨(一堆粉骷髏)の正体を指して孫悟空が呼ぶ語であり、亡骸そのものではなく「潛靈作怪」(隠れひそんで怪異をなす)ものとして語られる。骸骨の背には「白骨夫人」の一行の文字があったとされる
この記述の範囲: 西遊記第二十七回、孫悟空が唐三藏に説明する場面
- 西遊記/第027回(屍魔三戲唐三藏 聖僧恨逐美猴王) 西遊記/第027回、同段落
キョンシー(僵屍・殭屍)は尸變に現れる。本文でこの遺体は一貫して「尸」「女尸」「僵女」と呼ばれ、「屍」の字は一度も使われない。「僵」の字も3箇所に現れるが、いずれも「僵臥(硬直して横たわる)」「抱樹而僵(木を抱いたまま硬直する)」「僵女(硬直した女)」のように状態を表す語としてで、「僵屍」という複合語そのものは本文に一度も現れない。
この記述の範囲: この維基文庫翻刻の用字の範囲
- 聊齋志異/第01卷(「尸變」を含む巻一の全文) 「尸變」全文(陽信某翁者〜宰與之牒,齎送以歸)
キョンシー(僵屍・殭屍)は趕屍と異なる。馮藝超論文は、『子不語』正・續二書に記録された僵屍譚を見る限り、僵屍は江蘇・浙江から雲南まで十余りの省や都市にわたり、地域を問わず民俗信仰の中に広く見られる現象であり、「湘西趕屍」の伝説が与える印象のように湖南一帯に限られるものではないと述べる。
この記述の範囲: 馮藝超論文、緒論部分。地域の集計は『子不語』『續子不語』に載る僵屍関連の話に基づく論文自身の分類による。
- 《子不語》正、續二書中僵屍故事初探 同、印刷頁191
廖綺雯(LIU, Yee Man, Mandy)の修士(MPhil)論文の要約は、1980〜90年代の香港映画に見られる『殭屍』と『道士』を、いずれも中国から来た『他者』として位置づけ、怪物研究の『怪物性』概念とポストコロニアル研究の『自己—他者』枠組みを用いて分析すると記す。
この記述の範囲: 廖綺雯MPhil論文(Lingnan University、2014)の要約(摘要)。
- 重讀八、九十年代的「恐怖喜劇」:殭屍電影與香港後殖民 論文要約(ページのメタデータの description 欄に全文)
廖綺雯(LIU, Yee Man, Mandy)の修士(MPhil)論文の要約は、この映画群は香港を本位に殭屍を「馴化」し道士を「吸納」することで、中国という「他者」が引き起こす緊張を処理し、大衆文化の中で中港融和の幻想を実現していると論じるとする。
この記述の範囲: 同要約末尾。
- 重讀八、九十年代的「恐怖喜劇」:殭屍電影與香港後殖民 同、要約末尾
キョンシー(僵屍・殭屍)は批僵屍頰に現れる。本文は、この跳ねながら近づいてきた者について、後日土地の者に尋ねると「此初做僵屍,未成材料者也」(できたばかりでまだ完全な形に至っていない僵屍だ)という答えを得たと記す。
この記述の範囲: 『子不語』卷八「批僵屍頰」全文
- 子不語 卷8 子不語 卷八「批僵屍頰」末尾
キョンシー(僵屍・殭屍)は僵屍貪財受累(子不語卷13)に現れる。本文は、書生が屍の前で後ずさりするたびに屍が一度ずつ跳ね上がり(「屍一躍」)、さらに後ずさると屍が急に起き上がった(「屍蹶然起」)と記す。
この記述の範囲: 『子不語』卷十三「僵屍貪財受累」全文(同卷にはこの話とは別に「僵屍求食」もあるが、そちらは「僵屍求食」の項目で紹介している)
- 子不語 卷13 子不語 卷十三「僵屍貪財受累」中盤
キョンシー(僵屍・殭屍)は僵屍貪財受累(子不語卷13)に現れる。本文は、書生が閉めていた窓を開けたところ、屍が外から窓を越えて跳び込んできた(「從外躍入」)と記す。
この記述の範囲: 『子不語』卷十三「僵屍貪財受累」全文
- 子不語 卷13 子不語 卷十三「僵屍貪財受累」中盤
キョンシー(僵屍・殭屍)は鞭屍に現れる。本文は、妖法で操られた亡き友人の屍が再び跳ね起きたところ(「屍又躍起」)を、授かった鞭で打つと屍が倒れたと記す。
この記述の範囲: 『子不語』卷十「鞭屍」全文
- 子不語 卷10 子不語 卷十「鞭屍」中盤
キョンシー(僵屍・殭屍)は綠毛怪に現れる。本文は、廟の神座の下から物音がして「一物」が跳び出てきた(「一物躍出」)とし、後段でその正体は緑の毛に覆われ棺に納められていた屍だったと明かされると記す。
この記述の範囲: 『子不語』卷十「綠毛怪」全文
- 子不語 卷10 子不語 卷十「綠毛怪」冒頭〜末尾
キョンシー(僵屍・殭屍)は屍合に現れる。本文は、川に流された男性の屍が、先に流れ着いていた女性の屍のそばに来ると水面から跳ね上がるように起き上がり(「躍水而起」)、抱き合う形になったと記す。
この記述の範囲: 『續子不語』卷一「屍合」全文
- 續子不語 01 續子不語 01「屍合」
キョンシー(僵屍・殭屍)は犼に現れる。本文は、ある一晩に見張っていた某が見た場面として、棺から出て歩き回っていた屍が大股で踏みしめるように歩いて戻った(「大踏步」)と記し、この場面の描写に跳ねる動きの字は使われていない。
この記述の範囲: 『續子不語』卷三「犼」全文
- 續子不語 03 續子不語 03「犼」冒頭
本文は、或説(「或曰」)として、屍は最初に「旱魃」に変わり、次に「犼」に変わるとし、犼には神通力があって口から煙火を吐き龍と戦えるため、仏はこれに乗って鎮めるとされると記す。
この記述の範囲: 『續子不語』卷三「犼」末尾の一文(伝聞の形のまま)
- 續子不語 03 續子不語 03「犼」末尾
『清稗類鈔』迷信類二にある「袁子才論殭尸」の条は、殭尸は久しくすると飛べるようになって全身に長い毛が生え、さらに久しくすると「飛天夜叉」に変わるとする(袁枚の言として紹介する形)。
この記述の範囲: 『清稗類鈔』085「袁子才論殭尸」全文
- 清稗類鈔(迷信類二) 清稗類鈔085「袁子才論殭尸」
キョンシー(僵屍・殭屍)は批僵屍頰に現れる。頬を打った錢の手は翌日には墨のように黒くなり、その黒みが完全に退くまで三、四年を要したと記される。
この記述の範囲: 『子不語』巻8「批僵屍頰」末尾
- 子不語 卷8 子不語 巻8「批僵屍頰」末尾
馮藝超(2007)は、僵屍は身体が硬いために手足の関節の動きが不自由であり、そのため塀を越える・木に登る・梯子を上る・水を渡ることができないと分析している(引用する説話中の描写に基づく)。
この記述の範囲: 馮藝超(2007)、同節(印刷頁206)
- 《子不語》正、續二書中僵屍故事初探 東華漢學 第6期、印刷頁206
コトバンク収録のデジタル大辞泉「僵屍(キョンシー)」の項は、キョンシーを「硬直した死体」と定義し、中国では死体が長い時間を経ると悪霊になって人に害を与えるという俗信があると記すが、跳ねる動き・その由来には触れていない。
この記述の範囲: コトバンク「僵屍(キョンシー)」(デジタル大辞泉)
- 「僵屍(キョンシー)」(デジタル大辞泉/普及版 字通、コトバンク収録) コトバンク「僵屍(キョンシー)」頁、デジタル大辞泉の項
国立国会図書館「レファレンス協同データベース」の事例記録(2020年、高校図書館の回答)は、水木しげる『続 妖怪画談』(1993年、岩波新書)が中国の妖怪「僵尸」の項で、これが映像作品「霊幻道士シリーズ」の元になっていると述べていることを、回答プロセスの中で確認したと記す。
この記述の範囲: レファレンス協同データベース事例1000291261
秦中墓道はキョンシー(僵屍・殭屍)と異なる。「秦中墓道」で「地気」を受けて毛が生え人家に災いする存在は「白凶」「黒凶」と呼ばれており、「僵屍」「殭屍」の語はこの話には一度も現れない。
この記述の範囲: 「秦中墓道」の用字の範囲
- 子不語/卷2(「秦中墓道」を含む巻2の全文) 子不語 巻2「秦中墓道」全文
閱微草堂筆記はキョンシー(僵屍・殭屍)を含む。巻10は、祟りをなす存在を「僵屍」と呼び、新しい屍でまだ棺に納めていないものが突然跳ね起きて人を捕らえる型と、長く埋葬されて朽ちないものが魑魅のような姿に変じ、時に夜に出歩いて人を捕らえる型の、二種に分けて説明する、と記す。
この記述の範囲: 巻10のこの一節の範囲
- 閱微草堂筆記/卷10 閱微草堂筆記 巻10(太陰煉形法の段落)
- 閱微草堂筆記/卷10 閱微草堂筆記卷10、董曲江の話(呂留良の屍が朽ちない件)に続く段落
閱微草堂筆記はキョンシー(僵屍・殭屍)と異なる。『閱微草堂筆記』卷十は、道家の「太陰煉形法」(数百年葬って期が満ちれば生き返るという説)や、水銀で納棺すると屍が腐らない実例を紹介しつつ、これらは祟りをなさないものとして、祟りをなす「僵屍」とは区別している、と記す。
この記述の範囲: 巻10のこの一節の範囲
- 閱微草堂筆記/卷10 閱微草堂筆記 巻10(同段落前半)
気(氣)はキョンシー(僵屍・殭屍)を引き起こすとされる。馮藝超論文は、屍が生きた人の陽気に触れて動き出す型を、屍変の原因のうち最も多い誘因として紹介し、『屍奔』の一則を引いて「陰陽の気が引き合うことで屍が人に付いて走る」という説明を併せて紹介する。
この記述の範囲: 馮藝超論文の該当箇所の範囲
- 《子不語》正、續二書中僵屍故事初探 頁196「(一)感陽氣而走魂」
『續子不語』巻四「僵屍拒賊」は、昼の光に当てなければ人と変わらないと言われて二十年あまり人として暮らした女が、ある暑く日差しの強い日に血の水たまりとなって僵屍の姿に戻り、その後は夜ごと棺を出入りして家を盗賊から守った、と記す。
この記述の範囲: 『續子不語』巻四「僵屍拒賊」(維基文庫の翻刻)。馮藝超論文はこの場面を「一夕驟見天光」(ある晩に急に天の光を見て)と書き、本文の「一日,天大熱」と食い違う
- 續子不語 04 續子不語 巻四「僵屍拒賊」第 2〜3 段
気(氣)はキョンシー(僵屍・殭屍)を引き起こすとされる。生者の盛んな陽気に触れることで、屍が人について走り出す現象(俗称「走影」)が起こると、複数の話がこの機序を説明する。
この記述の範囲: 『續子不語』卷五「屍奔」・卷八「僵屍挾人棗核可治」、および馮藝超論文が引く同じ「屍奔」の一節
- 續子不語 05 續子不語卷五「屍奔」冒頭段
- 續子不語 08 續子不語卷八「僵屍挾人棗核可治」末尾の一文
- 《子不語》正、續二書中僵屍故事初探 馮藝超「《子不語》正、續二書中僵屍故事初探」印刷頁197(「(一)感陽氣而走魂」節、屍奔の引用部分)
気(氣)はキョンシー(僵屍・殭屍)に関わる。屍の番をする者は死者と足を向き合わせて寝ることを最も忌むとし、人が横たわると陽気は足裏の湧泉穴から盛んに出るため、足を向き合わせると生者の陽気が屍の足に注ぎ込まれて起き上がらせる、と説明する。
この記述の範囲: 『續子不語』卷五「屍奔」
- 續子不語 05 續子不語卷五「屍奔」中段(伴屍者最忌對足臥の一文)
キョンシー(僵屍・殭屍)は屍變(續子不語卷八)に現れる。隣家の死んだばかりの女性の遺体を、兄弟で見張っていた男が邪な思いを抱いて見つめ続けたところ、屍が突然起き上がって室内を追いかけてきたと記す。男は窓から飛び降りて逃れたが屍は跳べず、その場で硬直して動かなくなった、とある。
この記述の範囲: 『續子不語』卷八「屍變」(鄰女の屍、湯阿達の話)
- 續子不語 08 續子不語卷八「屍變」全文
キョンシー(僵屍・殭屍)は屍變(續子不語卷八)に関わる。本文には、屍が起き上がった契機を陽気・息・気と結びつける語は見当たらない。男が邪な思いを抱いて見つめ続けたことが契機として記されるのみである。
この記述の範囲: 『續子不語』卷八「屍變」(鄰女の屍)で読んだ範囲
- 續子不語 08 續子不語卷八「屍變」全文
キョンシー(僵屍・殭屍)は僵屍貪財受累(子不語卷13)に関わる。本文には、屍が起き上がり追いかけてきた契機を陽気・息・気と結びつける語は見当たらない。書生が後ずさりする挙動に応じて屍が跳ね起きたと記されるのみである。
この記述の範囲: 『子不語』卷十三「僵屍貪財受累」で読んだ範囲
- 子不語 卷13 子不語卷十三「僵屍貪財受累」全文
気(氣)はキョンシー(僵屍・殭屍)を引き起こすとされる。論文は「感陽氣而走魂」(生者の陽気に触れて動く)を『子不語』『續子不語』の僵屍・屍變の話の外からの原因の型の一つとし、例として七話を挙げる: 「僵屍貪財受累」、續子不語巻八の「屍變」、「焚屍二則」、「石門屍怪」、「僵屍挾人棗核可治」、「畫工畫僵屍」、そして「屍奔」。うち研究所が原文を確かめたのは「僵屍貪財受累」、巻八の「屍變」、「僵屍挾人棗核可治」、「屍奔」の四話と、のちに維基文庫の翻刻で読んだ「焚屍二則」(『子不語』卷二十四)・「畫工畫僵屍」(維基文庫では『子不語』卷五に見える)の二話。「石門屍怪」の原文はまだ確かめていない。
この記述の範囲: 馮藝超2007論文の分類の範囲
- 《子不語》正、續二書中僵屍故事初探 馮藝超論文、印刷頁196〜197「(一)感陽氣而走魂」節
キョンシー(僵屍・殭屍)は僵屍求食に関わる。本文には、屍が人の息・気・陽気で人を見つける、追う、吸うという記述、および人が息を止める・殺すことで難を逃れたという記述は見当たらない。屍は二更に拍子木の音を機に出て、五更には拍子木が鳴る前に廟へ戻っていた、と記されるのみである。
この記述の範囲: 『子不語』卷十三「僵屍求食」(維基文庫翻刻)で読んだ範囲
- 子不語 卷13 子不語卷十三「僵屍求食」全文
キョンシー(僵屍・殭屍)は尸變に関わる。本文は、屍が再び動き出す契機を、客が身を起こして衣を整えようとした際の物音と結びつけて描く。客が布団の中で息を止めていたことが屍に気づかれずに済んだ理由だとは述べておらず、息を止めていた間も屍は他の客と同様に彼にも息を吹きかけている。
この記述の範囲: 『聊齋志異』尸變(維基文庫翻刻)で読んだ範囲
- 聊齋志異/第01卷(「尸變」を含む巻一の全文) 聊齋志異/第01卷「尸變」中盤(客大懼のくだり以降)
地中に長く残る屍について、月の気に乗じて時節に応じ場所を移る「游屍」、千年朽ちずに地に伏す「伏屍」、生前に力を込めた箇所の骨だけが日月の精気を受けて朽ちずに祟る「不化骨」の三種を挙げる。この文脈での呼称は「屍」であり「僵屍」「殭屍」ではない。
この記述の範囲: 『續子不語』卷五「骷髏三種」
- 續子不語 05 續子不語卷五「骷髏三種」全文
キョンシー(僵屍・殭屍)は飛僵(子不語卷十二)に現れる。安州の老翁の語りとして、村の山中に空を飛んで子どもを攫って食う僵屍が出て、住む穴は底が知れなかったと記す。
この記述の範囲: 『子不語』卷十二「飛僵」(蔣太守が会った老翁の語り)
- 子不語 卷12 子不語 卷12「飛僵」冒頭
馮藝超論文は、『子不語』正続二書の僵屍を十三類に分ける。内訳は、色や毛で呼ぶ五類(紫僵、白僵〔白凶〕、綠僵、黑凶〔黑僵〕、毛僵)、五色の毛の僵、飛僵、地中の三類(伏屍、游屍、不化骨)、旱魃の一種としての鬼魃、犼、そして干麂子である。
この記述の範囲: 馮藝超(2007)「四、僵屍的類型與身分、形象」の(一)
- 《子不語》正、續二書中僵屍故事初探 馮藝超(2007)印刷頁201(PDF 13頁、13類の列挙)および印刷頁202(PDF 14頁、「鬼魃は旱魃中の一種」の位置づけ)
キョンシー(僵屍・殭屍)は慈溪西門外の僵屍(右臺仙館筆記卷六)に現れる。慈溪の西門の外にかつて僵屍がいて夜に出ては人を害したと書き、城に登って隠れ見た木匠たちは、それが棺から飛び出し風のように行くのを見たと記す。
この記述の範囲: 『右臺仙館筆記』卷六、慈溪西門外の僵屍の話の前半
- 右臺仙館筆記/卷06 右臺仙館筆記 卷六、維基文庫の編集用の本文で 43 行目の段落(「木工石工所用之墨線」で始まる段)の後半「慈溪西門外曾有僵屍」以下
キョンシー(僵屍・殭屍)は溧陽史仲皋言三事(里乘卷三)に現れる。一つ目の話で、瓜を盗んだ帰りの某生は後をつけてくる者を僵屍と思い(意是僵屍)、塾の塀に跳び上がって逃れると、追ってきた者は三度跳んでも届かず、顎を瓦に掛けて宙に吊られ、翌朝は塀の下に臭い黒い水が残るだけだったと記す。
この記述の範囲: 『里乘』卷三「溧陽史仲皋言三事」の一つ目の話
- 里乘/03(卷三) 里乘 卷三「溧陽史仲皋言三事」、一つ目の話(「鄉里有某生者」以下)
キョンシー(僵屍・殭屍)は蜀山劍俠新傳に現れる。山中の荒れ寺に「積年殭屍」が現れる。背丈は一丈ほど、碧い瞳と外に出た牙、肉の無い痩せた体で、全身に寸ほどの綠毛が針のように逆立つ。
この記述の範囲: 『蜀山劍俠新傳』第 6 回(維基文庫の翻刻)、齊良が山中の荒れ寺に泊まる段
- 蜀山劍俠新傳(維基文庫の翻刻) 第 6 回、齊良が荒れ寺の窓の外に怪物を見る段(「那東西生得身高丈許」から)
体は鉄のように硬く、目のほかは矢が通らないが、体がこわばっていて高くは跳べず、主人公は高く遠くへは跳べないと見る。
この記述の範囲: 『蜀山劍俠新傳』第 6 回(維基文庫の翻刻)、齊良が山中の荒れ寺に泊まる段
- 蜀山劍俠新傳(維基文庫の翻刻) 第 6 回、齊良が屋根の上から弩の矢を射る段と、その後の齊良の心の中の言葉
荒れ寺の殭屍は、全身が黄色の毛で後頭部の長い金髪をなびかせて空を飛んできた怪物に一爪で倒され、両足をつかまれて二つに裂かれる。後に彭勃は、殭屍が豹を殺したので金揉と虎たちが害を除きに来たと話す。
この記述の範囲: 『蜀山劍俠新傳』第 6 回(維基文庫の翻刻)、荒れ寺の殭屍が倒される段と、その後の彭勃の話
- 蜀山劍俠新傳(維基文庫の翻刻) 第 6 回、空を飛ぶ怪物が殭屍を倒す段と、白衣の少年彭勃が齊良に事情を話す段
僧の空曉は、自分の肉体は坐化して久しい殭屍で、邪法を修めて体を生き返らせようとし、全身を精鋼より堅くした、と語る。
この記述の範囲: 『蜀山劍俠新傳』第 8 回(維基文庫の翻刻)、空曉が令賢に事情を語る段
- 蜀山劍俠新傳(維基文庫の翻刻) 第 8 回、空曉の台詞(「我那肉體原早坐化多年」から)
キョンシー(僵屍・殭屍)は殭屍小子(幽幻道士)に現れる。日本語の BD-BOX の配役欄は、『幽幻道士(キョンシーズ)』の子どものキョンシーの役を「ベビーキョンシー」(洪竟原)と書く。
この記述の範囲: アット エンタテインメントの BD-BOX の頁の①の出演欄、映画.com・KINENOTE の配役欄、映画ナタリーの記事
- 幽幻道士&来来!キョンシーズ BD-BOX ①「幽幻道士(キョンシーズ)」の■出演の行
- 幽幻道士(キョンシーズ):作品情報・キャスト・あらすじ 作品頁「スタッフ・キャスト」欄
- 「幽幻道士」リマスター版5作一挙放送、吹替演出・飯田譲治が制作時の苦労語る(コメントあり) 記事本文第2段
キョンシー(僵屍・殭屍)は殭屍小子(幽幻道士)に現れる。映画ナタリーの応援上映の告知記事は、本作を、人を襲う死人であるキョンシーが起こす騒動を描くアクションホラーコメディと紹介する。
この記述の範囲: 映画ナタリー 2017-09-24 の記事の地の文
キョンシー(僵屍・殭屍)は殭屍小子(幽幻道士)に現れる。シャドウ・リュウは、キョンシーを演じていたのはメイクをした大人の男性たちで、メイクをしていなければ優しいおじさんたちだった、と語った。
この記述の範囲: CHANTO WEB(2026-09-16)のインタビュー
- 『幽幻道士』テンテン役が語る過酷現場「棺桶で寝て、3日間ワイヤーで吊られた」シャドウ・リュウ撮影裏話 「休憩はキョンシーの棺桶の中で」の節、最初の答え
キョンシー(僵屍・殭屍)は殭屍小子(幽幻道士)に現れる。シャドウ・リュウは、ベビーキョンシーの役の子も自分たちと同じようにワイヤーで長く吊られていた、と語った。
この記述の範囲: CHANTO WEB(2026-09-16)のインタビュー
- 『幽幻道士』テンテン役が語る過酷現場「棺桶で寝て、3日間ワイヤーで吊られた」シャドウ・リュウ撮影裏話 「ベビーキョンシーも当時は人気でしたが」の問いへの答え
キョンシー(僵屍・殭屍)は兩僵屍野合に現れる。『子不語』卷十二「兩僵屍野合」では、古い寺に泊まった壮士が、唐巾をかぶってふわりと来て古墓に入るものを見て、僵屍だと知る
この記述の範囲: 『子不語』卷十二「兩僵屍野合」
- 子不語 卷12 子不語 卷12「兩僵屍野合」第1段
キョンシー(僵屍・殭屍)は鬼吹頭彎に現れる。『子不語』卷二十三「鬼吹頭彎」では、山東の古廟の楼に夜、紅い衣の女が現れて仏に拝礼したのち千總の林に襲いかかり、手は鉄のように冷たく硬く、雞が鳴くと倒れて僵屍だと分かった
この記述の範囲: 『子不語』卷二十三「鬼吹頭彎」
- 子不語 卷23 子不語 卷23「鬼吹頭彎」
南昌士人(子不語卷1)はキョンシー(僵屍・殭屍)に関わる。頼みを引き受けてもらった死者は去ろうとしたが、友が泣いて引き留めたので座り直してしばらく語り、再び去ると言いながら立ったまま動かなくなり、両目を見開いて顔つきがしだいに崩れた。友が逃げると屍は後を追い、友が塀を越えて倒れると、屍は塀を越えられず塀の外に首を垂れていた。夜明けに友は助けられ、屍を探していた家の者が担いで帰り殯した。
この記述の範囲: 『子不語』卷1「南昌士人」第2・3段
- 子不語 卷1 子不語 卷1「○南昌士人」第2段(「少者見其言近人情」から)と第3段
香港電影資料館の通訊(2016)の座談会の報告によれば、吳君玉は、1939年の香港の鬼怪片はよく西洋から題材を借り、『吸血殭屍』(1922)や『科學怪人』(1931)などの恐怖片の古典には香港式に演じ直した本地版が出たことがある、と紹介した
この記述の範囲: 香港電影資料館《通訊》第75期(2016年2月号)「香港早期恐怖片」(紙面は『鍾馗捉鬼』1939 の上映後の「1月10日」の座談会とだけ書く。年は号から見て2016年とみられる)
- 香港早期恐怖片(座談會の報告)ほか 紙面18頁(PDF 18頁)「香港早期恐怖片」
キョンシー(僵屍・殭屍)はキョンシーXに現れる。「少年ジャンプ+」の作品紹介は、『キョンシーX』を「千年続く泰平の世に音もなく迫る闇――。跋扈するは巨悪とキョンシー!?」と始め、「少年たちよ、絶望を穿つ光となれ!」と呼びかけて、「超克の中華バトルファンタジー」と紹介する。
この記述の範囲: 公式の作品紹介の文の範囲。作中でキョンシーがどう描かれるかは見ていない
- [第一話]キョンシーX - 倉薗紀彦 | 少年ジャンプ+ 作品紹介の文
里乘には、キョンシー(僵屍・殭屍)についての記述がある。
この記述の範囲: 『里乘』卷三「溧陽史仲皋言三事」の一つ目の話(維基文庫の翻刻)
- 里乘/03(卷三) 里乘 卷三「溧陽史仲皋言三事」、一つ目の話(「鄉里有某生者」以下)
野叟曝言には、キョンシー(僵屍・殭屍)についての記述がある。
この記述の範囲: 『野叟曝言』第四十九回(維基文庫の翻刻)
- 野叟曝言 第049回 野叟曝言 049、素臣が太玄に答える台詞の中段(「是即僵屍旱魃之屬」)
キョンシー(僵屍・殭屍)は右臺仙館筆記に現れる。『右臺仙館筆記』卷四は、戦乱のあとの金陵(今の南京)で、ある高官が得た空き地から棺が二十余り掘り出され、一つには衣は灰になっていたが肌が白く潤って頬の白粉も残る女の屍、一つには座ったまま横にならない男の屍、もう一つには上半身に獣の毛、下半身に鳥の羽が生えた僵屍があった、と記す。高官は棺をほかへ移して葬らせ、開けて見ることを禁じた。
この記述の範囲: 『右臺仙館筆記』卷四の一条(維基文庫の翻刻)。戦乱のさなかに急いで葬られた棺だと本文は推している
- 右臺仙館筆記 卷04 右臺仙館筆記 卷04、「金陵自遭兵燹後」で始まる条
キョンシー(僵屍・殭屍)は右臺仙館筆記に現れる。『右臺仙館筆記』卷五は、湖北の咸寧の村で、未婚のまま人と通じた毛家の娘が、怒った父母に殺されて野に埋められ、僵屍になって行く人を追ったので掘り出して焼いたが、僵屍を焼くときは魚網をかぶせれば屍も鬼も滅びるという俗説にそのときは思い至らなかったため、その鬼が「毛家姑媽」と呼ばれ、色白で姿の整った家の若い男女に取りついて死なせる祟りを、数十年のあいだ続けた、と記す。
この記述の範囲: 『右臺仙館筆記』卷五の一条(維基文庫の翻刻)。直前に俞樾の長男の嫁が語る咸寧の怪しい出産の話があり、同じ段に続けて書かれる。この毛家の娘の話そのものを嫁から聞いたかどうかは、本文に明記がない
- 右臺仙館筆記 卷05 右臺仙館筆記 卷05、「湖北咸寧鄉間有毛氏女」で始まる段
香港政府の映画データベースの紹介文を読んだ範囲では、1940〜60 年代の屍や血を吸う者を扱う映画で、屍は実は生きた人か、恨みを晴らす本人の霊で、道士が退治する筋は見つからなかった。『古屋行屍』(1949)は陥れられて死んだ教員が屍となって二十年後に自ら仇を討つ。『包公夜審行屍』(1959)は、宋の名裁判官とされる包公(包拯)に訴え出た屍が実は死んでいなかった男。『吸血婦』(1962)は子の血を吸う嫁を、姑が呼んだ巫女の言葉に従い棺に釘で閉じ込めようとするが、嫁は毒の蟹に咬まれた子の血を吸って命を救っていたのであり、巫女は悪人と逃げて崖から落ちる。
この記述の範囲: 香港政府の映画データベース(繁体字の記録 2085・1307・4230)の紹介文
- Hong Kong Film Search(香港政府の映画検索データベース)の作品ごとの詳細レコード 記録 2085(古屋行屍、1949-10-09)の紹介文
- Hong Kong Film Search(香港政府の映画検索データベース)の作品ごとの詳細レコード 記録 1307(包公夜審行屍、1959-09-24)の紹介文
- Hong Kong Film Search(香港政府の映画検索データベース)の作品ごとの詳細レコード 記録 4230(吸血婦、1962-06-06)の紹介文と備考
キョンシー(僵屍・殭屍)は右臺仙館筆記に現れる。『右臺仙館筆記』卷五の毛家の娘の話の続きで、人々が各村に廟を立てても祟りはやまず、咸寧の県令が怒って廟をすべて壊し、江西の真人府(道教の天師の家の役所)まで出向いて、神に命じて鬼を縛る術を求めると、それから少し静まった、と書く。そのときまでに祟りはすでに数十年続いていた。太平天国の乱のあとにまた現れたが、前ほどひどくはなかった。
この記述の範囲: 『右臺仙館筆記』卷五(毛家の娘の話の後半)
- 右臺仙館筆記 卷05 卷五、毛家の娘の話の後半(第54段落)
キョンシー(僵屍・殭屍)は閱微草堂筆記に現れる。『閱微草堂筆記』卷七の医者の胡宮山は、武芸が並外れ、舟で盗賊に遭ったとき刃物を持たずに煙管一本で七、八人の鼻を突いて倒したほどだったが、生涯で一番恐れたのは鬼だった。若いころ僵屍に遭って拳で打つと、木か石を打ったようで、危うくつかまれかけた、と語ったとされる。
この記述の範囲: 『閱微草堂筆記』卷七(胡宮山の話)
- 閱微草堂筆記 卷7 卷七、胡宮山の話(第39段落)
『週刊明星』は 1988 年 3 月 17 日号に「よくわかる!『キョンシー』ブームの秘密!」を載せ、続く 3 月 24 日号は、郷ひろみ夫妻らの名と並べてキョンシーの名を題に出す。少なくともこの時期に、週刊誌が「ブーム」の語を題に使っていた。
この記述の範囲: 国立国会図書館デジタルコレクションの目次の題と頁まで。本文は読んでいない
- 週刊明星 1988 年の 9 号の目次と 9 号分の目次と、全文検索の抜き出し(31 巻 11・12・15・17・25・28・39・40・42 号) 31 巻 11 号(1988・3・17)208 頁〜、31 巻 12 号(1988・3・24)182 頁
小学館の学年誌は、検索で見つかった号では 1988 年の春からキョンシーの漫画を月ごとに載せている。『元祖キョンシーくん』は『小学一年生』『小学三年生』『小学五年生』(河合一慶)と『小学二年生』(方倉陽二)に 1989 年 2〜3 月号まで、『你好キョンシーくん』は『小学四年生』(玉井たけし)に 1988 年 8 月号から 1989 年 7 月号まで載る。
この記述の範囲: 国立国会図書館サーチで見つかった号の目次の題と頁まで。本文は読んでいない
- 小学一年生〜小学六年生 1988 年 5 月〜1989 年 7 月の号の目次(検索で見つかった 58 号) 小学三年生 43 巻 2 号〜12 号、小学一年生 44 巻 4 号〜12 号、小学二年生 44 巻 4 号〜12 号、小学四年生 67 巻 5 号〜68 巻 4 号、小学五年生 41 巻 4 号〜11 号
講談社の『スーパーボンボン』は 1988 年 5 月に「キョンシーの全秘密特別大公開!」と新連載『笑笑キョンシー』(かみやたかひろ)を載せ、7 月号でも特集を組む。単行本は 1988 年 8 月と 12 月に出た。小学館の少女向けの『ぴょんぴょん』は 8 月号に「キョンシーグッズ大集合」、10 月号に「キョンシー大特集」を載せ、講談社の少女向けの雑誌は 1989 年に『キョンシーぴょんぴょん物語』(かずはしとも)を載せる。
この記述の範囲: 目次の題と頁、本の書誌まで。本文は読んでいない
- スーパーボンボン 1988 年の 2 号の目次(2 巻 3・4 号) 2 巻 3 号 3・79・102 頁、2 巻 4 号 5・17・26・41 頁
- ぴょんぴょん 1988 年 8 月号・10 月号の目次 1 巻 4 号 148・298 頁、1 巻 5 号 115・132・149 頁
- フレッシュフレンド 1989 年の 3 号と Shojo friend 1989 年 8 月の号の目次 フレッシュフレンド 1989 夏 76 頁・秋 123 頁・冬 317 頁、Shojo friend 27 巻 22 号 237 頁
- 国立国会図書館サーチの検索結果(題に「キョンシー」、全項目に「幽幻道士」「来来 キョンシーズ」) 『笑笑キョンシー』1・2 の書誌
保育者向けの雑誌『幼児と保育』(小学館)は 1988 年 7 月号の連載「人気キャラクター図鑑」の 4 回目でキョンシーを取り上げた。
この記述の範囲: 国立国会図書館デジタルコレクションの目次の題と頁まで。本文は読んでいない
- 幼児と保育 1988 年 7 月号(34 巻 6 号)の目次 34 巻 6 号 90〜91 頁
『スクリーン』は 1988 年 4 月号に「キョンシー・ホラー大特集」(垣井道弘)を、香港映画を集めた 1988 年 10 月の号(43 巻 14 号)に「キョンシー ピョンピョン大行進」を載せる。どちらの題も、作品の名を出さず「キョンシー」の語で特集を名づけている。
この記述の範囲: 国立国会図書館デジタルコレクションの目次の題と頁まで。本文は読んでいない
- スクリーン 1986〜1989 年の 5 号の目次 43 巻 5 号、43 巻 14 号
1988〜89 年には、キョンシーの名を付けた本が映画の本の外へ広がった。おまじないの本『キョンシーのおまじない』(二見書房、1988 年 4 月)、ゲームブック『たいけつ!キョンシー大まおう』(ポプラ社、1989 年 1 月)、児童書『みつごのキョンシーわん・たん・めん』(ポプラ社、1988 年 12 月から)などである。
この記述の範囲: 国立国会図書館サーチの書誌(中身は未読)
タイトーのファミコンのゲーム『キョンシーズ2』は 1987 年 9 月 25 日に出て、翌月に徳間書店が『キョンシーズ2完全攻略本』を出した。どの作品に基づくゲームかは確かめていない。
この記述の範囲: ゲームカタログと書誌
- キョンシーズ2(ファミコン、タイトー) 発売日の欄と解説
- キョンシーズ2完全攻略本(書誌) 書誌
音楽の棚にもキョンシーが出た。テイチクの洋楽ディスコの編集盤の題は『恋のキョンシーダンス/SF&ホラー・ディスコ決定盤20』(1988 年 8 月)で、東芝 EMI の『テレビ人気こどものうたベスト50』(1990 年 11 月)には「うわさのキョンシーたいそう」が入る。
この記述の範囲: 国立国会図書館サーチの書誌
1988 年の雑誌は関連の品をまとめて紹介した。『ぴょんぴょん』8 月号の「キョンシーグッズ大集合」、『週刊明星』7 月 21 日号の「キョンシービデオカタログ」、『小学四年生』10 月号の「キョンシー・ビデオぞくぞく大カタログ」である。題からは、キョンシーのビデオが続けて出ていたことがうかがえる。
この記述の範囲: 国立国会図書館デジタルコレクションの目次の題と頁まで。本文は読んでいない
- ぴょんぴょん 1988 年 8 月号・10 月号の目次 1 巻 4 号 148 頁
- 週刊明星 1988 年の 9 号の目次と 9 号分の目次と、全文検索の抜き出し(31 巻 11・12・15・17・25・28・39・40・42 号) 31 巻 28 号 47 頁
- 小学一年生〜小学六年生 1988 年 5 月〜1989 年 7 月の号の目次(検索で見つかった 58 号) 小学四年生 67 巻 7 号 36 頁
ファンのブログ(2020)は、ブームのころの関連の品として、札のシールのおまけが付いたガム、おもちゃ、本、アシックスの靴「タイゴン」を挙げる。当時の広告や製造元の資料では確かめていない。
この記述の範囲: ファンのブログの回想
- 一大ブームを巻き起こしたキョンシー映画! 「キョンシーブーム」の段落
1989 年、金沢の小学校の先生たちの研究報告は、1 年生の表現運動の準備の動きの例に「キョンシーになろう」を挙げている。先生が問いかけて動かす題材で、おばけや小鳥と並ぶ。報告はキョンシーを説明せず、題材の名だけを書いている。
この記述の範囲: 日本女子体育連盟紀要 1989 年の報告
- 子ども達と考える表現運動の学習内容 ―主体的に取り組む子をめざして― 20 頁「II 実践例」の 1 年
1991 年の発達心理学の学会発表は、保育園の 2〜4 歳児の見立て遊びの実験で、人形を別の存在に見立てる例に「キョンシー」を挙げる。少なくともこの実験の遊びの中に、キョンシーの見立てが出ていた。
この記述の範囲: 日本教育心理学会総会発表論文集 33
- 2-4歳児の二人場面における象徴遊びの発達(6):遊びの主題・スクリプト・役割 272 頁「(c) 出来事エピソードの登場人物」
回想の文章では、キョンシーごっこを、息を止めれば見つからないという決まりのある鬼ごっことして語るものが複数ある。2008 年の匿名の回想はキョンシー役と人間役に分かれ、逃げられないときに息を止めたと書き、漫画家の仲曽良ハミ(2024)は、息を止めていたかどうかで必ずと言っていいほど言い争いになったと書く。
この記述の範囲: 回想(子ども世代の記憶)
- 昔キョンシーごっこという怖い遊びがあった…(質問と回答) 2008 年 4 月 18 日の回答
- 「キョンシーごっこ」で大モメ…テンテンもガッカリ?「昭和のおバカ男子たち」 1〜2 頁
- 幽幻道士(キョンシーズ)2 の利用者の感想「キョンシー世代」 感想の本文
- キョンシーブーム 本文
キョンシーの語は 1989 年には、子どもや映画の雑誌の外の、大人向けの文章の題にも使われた。『教育愛知』4 月号の「秋空に跳べキョンシー」(河原淳代)、『日本医事新報』9 月の号の随筆「キョンシーのお札」(大越進)、教育の現場を論じた本『ひらめキョンシー、ノー!』(下里正樹、機関紙共同出版、3 月)である。どの意味で使ったかは分からない。
この記述の範囲: 目次の題と頁、本の書誌まで。本文は読んでいない
- 教育愛知 1989 年 4 月号・部落 1989 年 6 月号・日本医事新報 1989 年 9 月の号の目次 教育愛知 37 巻 1 号 58 頁、日本医事新報 3411 号 59〜62 頁
- 国立国会図書館サーチの検索結果(題に「キョンシー」、全項目に「幽幻道士」「来来 キョンシーズ」) 書誌
1987 年の雑誌の目次にも早い例がある。1 月、朝日ソノラマのホラー漫画誌『ハロウィン』は「キョンシーとふゆかいな仲間たち」を載せ、5 月には『明星』が南野陽子の「〈香港特撮〉珍説・霊幻童子」を載せた。『霊幻道士』の劇場公開の後の時期にあたる。
この記述の範囲: 国立国会図書館デジタルコレクションの目次の題と頁まで。本文は読んでいない
- ハロウィン 1987 年 1 月号(2 巻 1 号)の目次 2 巻 1 号 3 頁
- 明星 1987 年 5 月号(36 巻 5 号)の目次 36 巻 5 号 49 頁
作品内の設定
キョンシー(僵屍・殭屍)は殭屍先生(霊幻道士)に現れる。サモ・ハンが製作した「Jiang Shi」武侠ホラー映画群の一本として位置づけられる
この記述の範囲: Fortune Starのカタログ(あらすじ文)
- Mr. Vampire (Movie Catalogue) あらすじ本文冒頭(Produced by Sammo Hungで始まる一文)
キョンシー(僵屍・殭屍)は殭屍小子(幽幻道士)に現れる。「キョンシーブーム」を牽引した映画・TVシリーズとして位置づけられる
この記述の範囲: アット エンタテインメントのBD-BOXカタログ(見出しの惹句)
- 幽幻道士&来来!キョンシーズ BD-BOX 作品名見出し直下の惹句「キョンシーブームの決定打!テンテンが大活躍した大ヒット映画&TVシリーズ!!」
キョンシー(僵屍・殭屍)は鬼屋殭屍(英題 Vampires of the haunted mansion)に現れる。紹介文は、多数の凶暴な女の殭屍(原文 female vampires)が夜ごと男を襲い、多くの死傷者を出すと記す。跳ねる・札・官服・両腕を伸ばす・道士が退治するという要素は紹介文には無い
- Hong Kong Film Search(香港政府の映画検索データベース)の作品ごとの詳細レコード bib_no 60306 詳細レコード、Synopsis欄
キョンシー(僵屍・殭屍)は三千年地底殭屍(英題 The three-thousand-year-old vampire)に現れる。紹介文は、地底深くに三千年生きる殭屍を、主人公を洞穴の外へ逃がすよう促す助け手として描く。魔法師と主人公が灯りを奪い合う争いの果てに主人公が洞穴に閉じ込められ、最後にこの殭屍に救われると記される
- Hong Kong Film Search(香港政府の映画検索データベース)の作品ごとの詳細レコード bib_no 60545 詳細レコード、Synopsis欄
キョンシー(僵屍・殭屍)は殭屍拜月(英題 A vampire pays offerings to the moon)に現れる。紹介文の冒頭は、殭屍は満月の光を浴びて蘇るという古い言い伝えがあるとし、この作品の殭屍は非業の死を遂げた女主人公の後日談として、深夜に月へ供物を捧げる殭屍の噂が広まっていくと記す
- Hong Kong Film Search(香港政府の映画検索データベース)の作品ごとの詳細レコード bib_no 38980 詳細レコード、Synopsis欄
キョンシー(僵屍・殭屍)は殭屍復仇(英題 The vengeance of the vampire)に現れる。紹介文は、殺された婚約者が殭屍として戻り、その母と主人公チュー・シャンユン(Chu Xiangyun)がともに彼を助けて自らの死の報復を遂げ、最後にその魂は安らかになったと記す
- Hong Kong Film Search(香港政府の映画検索データベース)の作品ごとの詳細レコード bib_no 39227 詳細レコード、Synopsis欄
キョンシー(僵屍・殭屍)は鬼打鬼(英題 Encounter of the spooky kind / Spooky Encounters)に現れる。Fortune Starのカタログは、この作品(Sammo Hungが製作・監督・出演)を、クンフーと恐怖と笑いを融合させ「Jiang Shi」武侠ホラー映画群を長年にわたり方向づけた作品と位置づける(レコードは英語のみで漢字表記は無い)
- Spooky Encounters (Movie Catalogue) あらすじ本文冒頭(Produced by Sammo Hungで始まる一文)
- Sammo Hung (Movie Catalogue - Actors) サモ・ハン紹介文本文「He also helped to popularize the 'Jiang Shi' genre of movies with Spooky Encounters.」の一文と、下部の代表作リンク一覧
キョンシー(僵屍・殭屍)は鬼打鬼(英題 Encounter of the spooky kind / Spooky Encounters)に現れる。香港電影資料館の上映プログラム解説(繁体字、2026年)は、姦夫に雇われた茅山法師が「作法」して僵屍を呼び覚まし主人公を追わせる筋を記し、別に「落降」「畫符」などの伝統的な茅山道術や、鏡に向かってリンゴの皮をむく仕草・僵屍が人の「氣」を吸うという民間の霊異的な禁忌を作品が取り入れていると述べる。
この記述の範囲: 『鬼打鬼』(1980)
- 鬼打鬼(靈幻經典・2026年上映プログラム解説、繁体字版) 解説文本文(あらすじ段落)
- サモ・ハン・キンポーの出演作品一覧 出演作品の一覧の 2025 年の欄、『妖術秘伝 鬼打鬼〈ニュー2Kリマスター版〉』の紹介文
キョンシー(僵屍・殭屍)はMr. Vampire II(霊幻道士2 キョンシーの息子たち!)に現れる。英語カタログ(Fortune Star)は、本作の殭屍を『吸血鬼の一家』全体として描くと記す。日本語版カタログ(ツイン)は、親子3人(両親と少年)の殭屍として紹介する。
この記述の範囲: Mr. Vampire II(霊幻道士2)
- Mr. Vampire II (Movie Catalogue) あらすじ本文1文目
- 霊幻道士2 キョンシーの息子たち!(カタログ) ストーリー欄1文目
老いず死なず、血を糧に生き、特異な力を持つ存在として描かれる。
この記述の範囲: 『我和殭屍有個約會』(1998)の公式サイトの故事大綱と Apple TV 香港の作品紹介。天祐と復生について
- 《我和殭屍有個約會》故事大綱(亞洲電視の公式サイト、Wayback Machine 1998-07-03 の保存) date.html「1998 年」の段
- 我和殭屍有個約會(Apple TV 香港の作品頁) 作品の紹介文(「一九三八年,日寇侵華」で始まる段)
キョンシー(僵屍・殭屍)は殭屍先生(霊幻道士)に現れる。Apple TV 香港の紹介文は、任老爺の遺体が「屍變」して殭屍となり、あちこちで人に害をなすと紹介する。
この記述の範囲: Apple TV 香港の作品頁の紹介文
- 殭屍先生(Apple TV 香港の作品頁) 作品頁の紹介文、第1文の後半
まだ分からないこと
- 制作者(監督・武術指導など)本人が跳ねる動きの由来を語った、公的な資料館の口述記録・インタビュー刊行物はあるか?
- 黒犬の血・鶏の血を僵屍(僵屍・殭屍の字が使われる話)に対して用いたという清代・民国期の記述はあるか?
- 銅錢劍(銅銭を紐で綴った剣)を僵屍除けに用いるという記述は、映画より前の文献にあるか?
- 『續子不語』卷五「飛僵」の原文は、雷撃・鳥槍以外にどのような記述を含むか?
- 『續子不語』「僵屍拒賊」で女が僵屍に戻る場面は、版によって「暑い日」か「ある晩」か?
- 『幽幻道士』系列でファンが「観洛音の術」と呼ぶ術の名は、觀落陰に由来すると公式資料や研究で述べられているか?
- 「銅甲屍」「金甲屍」「銅屍」「鐵屍」「黑僵」「跳屍」「屍王」「將臣」は、どの資料に初めて現れるのか?
- 白僵・黑僵・跳屍・飛屍・不化骨のように段階を一列に並べる体系は、どの資料が最初に示したのか?
- 『右臺仙館筆記』卷六の金陵小倉山の僵屍の話で、「僵屍不能逾溝」という考えはどう扱われているか?
- 「跳屍」「白僵」「黑僵」「旱魃」などを題に含む香港映画はあるのか?
- 「白僵→黑僵→跳屍→飛屍」のような等級の並びの成り立ちを論じた研究・評論はあるのか?
- 雷や雷法が僵屍そのものを撃つ話は、「飛僵」「雷誅王三」「李通判」のほかに清代の筆記にあるのか?
- 林穎汶「終焉と蘇生 ―『キョンシー』における表象の再構築」は日本の受容に触れるか?
- 1988 年のキョンシーの玩具は、どの会社がどれだけ出したか?