話
南昌士人(子不語卷1)
- 南昌士人
『子不語』卷一の一話で、南昌の寺で共に学んだ友が、急死したあとの夜、鬼となって現れ、母と妻の世話や遺稿の刊行を頼むが、去り際に立ったまま顔が崩れて屍となり、友を追う。結びで「識者」は、魂は善で霊妙、魄(体にとどまる、たましいの一面)は悪で愚かで、魂が散って魄だけが残ると屍が動き回るのだと説く。
資料の記述
南昌士人(子不語卷1)は子不語に現れる。南昌の北蘭寺で共に学んでいた二人のうち、年長の者が帰省中に急死した。その夜、死んだ者が寺の年少の友の寝床に来て、自分は鬼だと告げ、害するつもりはなく死後のことを託しに来たと言い、七十余の母と三十前の妻の世話、未刊の文稿の刊行、筆屋への借金の返済、の三つを頼んだ。
この記述の範囲: 『子不語』卷1「南昌士人」前半
- 子不語 卷1 子不語 卷1「○南昌士人」第1段
南昌士人(子不語卷1)はキョンシー(僵屍・殭屍)に関わる。頼みを引き受けてもらった死者は去ろうとしたが、友が泣いて引き留めたので座り直してしばらく語り、再び去ると言いながら立ったまま動かなくなり、両目を見開いて顔つきがしだいに崩れた。友が逃げると屍は後を追い、友が塀を越えて倒れると、屍は塀を越えられず塀の外に首を垂れていた。夜明けに友は助けられ、屍を探していた家の者が担いで帰り殯した。
この記述の範囲: 『子不語』卷1「南昌士人」第2・3段
- 子不語 卷1 子不語 卷1「○南昌士人」第2段(「少者見其言近人情」から)と第3段
魂魄は南昌士人(子不語卷1)に関わる。「南昌士人」の結びで「識者」は、人の魂は善く霊で魄は悪く愚かだとし、死者が来たときは一点の霊が残っていて魄が魂に付いて動いたが、心残りの事が済むと魂は散って魄だけが滞った、魂があればその人だが魂が去ればその人ではない、世の屍が動き回るのはみな魄の仕業で、道のある人だけが魄を制せる、と説いたと記す。
この記述の範囲: 『子不語』卷1「南昌士人」の結び(識者の言として)
- 子不語 卷1 子不語 卷1「○南昌士人」末段「識者曰」
塀・木・梯子・水(僵屍が越えられないとされる高さと水)は南昌士人(子不語卷1)に現れる。『子不語』卷一「南昌士人」では、急死した友の屍に数里も追われた若者が塀を越えて倒れると、屍は塀を越えられず、塀の外から首を垂れ、口からよだれを若者の顔に滴らせていた、と記す。夜が明けて通りかかった人に薑の汁を飲まされ、若者は息を吹き返した。
この記述の範囲: 『子不語』卷一「南昌士人」第2段の末尾と第3段
- 子不語 卷1 子不語 卷1「○南昌士人」第2段の末尾(「追逐數里」以下)と第3段